Franco-Belge(Bourdon)
0-4-0WT 50cm gauge locomotives |
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Franco-Belge(Bourdon) 今回は、ちょっと変わった機関車を作りました。 Franco-Belge (Bourdon) と言います。 ドームレスボイラーや関節駆動など、非常に特徴的なデザインをしています。また、バルブチェストが円形なのも変わっています。16mmスケール、32mmゲージで作りました。 プロトタイプ(実物の機関車)は、ゲージ幅が50cmで、全長も11フィート(約3.35m)と小さな機関車です。1880年代初めに始まったパナマ運河の建設に使用されました。 -- 製作途中の写真が少ないのですが、出来るだけ製作順に説明をしていきたいと思います。 |
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フレーム 先ずはフレームから。私の場合、大抵はフレームから作り始めます。今回もフレームから作り始めましたが、実は、最初の、このフレームを切り出す作業が意外に大変なのです。個人的には、全ての工程の中で一番大変だと思っています。時間もかかりますし、腕力も必要です。それに、集中力というか精神力も結構必要な修行のような作業です。 |
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組み立ては5mm x 5mmの真鍮の角棒を使いました。小さいので、これだけで結構しっかりしています 板バネや軸箱は原型を作り、それを鋳造したものを取り付けました。 |
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バルブギア バルブギアは、ブラウンバルブギアというものです。このブラウンバルブギアにはいくつかのタイプがあるようで、この機関車に採用されているブラウンバルブギアには富士山の様な形のガイドが使われています。 シリンダーやバルブギアは高い位置に配置されていて、建設用鉄道にありがちな泥や岩を避ける構造になっています。また、全幅をできるだけ狭くするために間接駆動となっています。 |
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スライドバルブ バルブチェストの外径が11.5mmと小さいので、ポートの穴あけに神経を使いました。ちなみにフレームに取り付けるためのネジ(上に突き出た2本)はM2です。 シリンダの直径は9mm、ストロークは11.4mmです。 |
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ボイラー このボイラーで三本目です。直径が37.5mm、長さが120mm(うち煙室部分20mm)と小さなボイラーなので、少しでも容量を増やしたくて、最終的に、写真のように円筒形の部分はそのままにして火室と合体させました。 水圧に弱い平行面のある火室の下半分には水が入いらない構造です。 |
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ほんの少しですが、これで20mlほどの容量を増やすことができました。 左の写真は、まだロウ付け前です。 |
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配管 スチームパイプとエキゾーストパイプです。スチームパイプはいわゆるスチームティーと呼ばれるもので、T型のパイプで蒸気を左右のシリンダーに振り分けて送ります。 キャブの床は最初に作ったのもので、この時点ではガスコントロールバルブが右側にあります。フレーム内に収まっているのはSlo-moです。 |
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組み立て 私の好きな四本柱の屋根ですが、これが結構難かしかったりします。なかなか平行と直角が出ません。あと、屋根と柱の取り付け部分はちょっと考えました。 写真に写っているは最初に作った屋根です。 |
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この機関車はシリンダーが逆向きに配置されているので、逆転レバーの操作が進行方向とは逆になります。 |
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この赤丸の中のパイプは、レギュレータから取り出した蒸気を一度ターレット内に戻し(ボイラからの蒸気とは別通路)、スチームパイプに送るリターンパイプです。 |
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バックプレートです。水面計を狭いところに無理矢理取り付けるのは止め、潔く省略しました。 |
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カップリング カップリングをどんなものにするか悩みましたが、友人から素晴らしいカップリングの資料を送っていただいたので、それを参考に作りました。 パナマ運河博物館にある、運河建設時に使用されたスキップのカップリングとほぼ同じデザインです。 |
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分解 塗装をするために分解しました。 小さい機関車ですが、それなりに結構部品があります。シリンダとバルブギア、それと屋根は写真には写っていません。 |
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完成 最後にエッチングで作ったネームプレートをキャブに貼り付けて、やっと完成しました。 バルブギアの設計を始めてから約一年半。もう少し早く完成する予定でしたが、結構時間がかかってしまいました。 ちなみに、今回使用した色は、キャブが、以前『GUINNESS』に塗った色と同じマラカイトグリーン、バッファービームとクランクは赤、ボイラーとフレーム他黒色のところは耐熱塗料の黒色の半ツヤ消しです。ボイラの帯も耐熱塗料の黒ですが、こちらはツヤ消しです。 |
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煙室扉はカンヌキで開け閉めができるように作りました。この煙室扉を開けてガスバーナーに点火します。 |
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ダミーの配管。右側のスチームパイプもダミーです。 写真中央の黒い瓶のようなものの中に安全弁があります。 |
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ガスタンクはキャブの床下にあります。 |
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減速装置(Yo-mo) 最後に、自前の減速装置(Yo-mo)です。 この機関車の特徴である大きなロッキングドライブレバーがゆったり左右に動く様子が見たくて、Terry氏からRoundhouseのLady Anne用のSlo-mo(Terry氏が製作した、機関車をゆっくり走らせるための装置)を購入して搭載していましたが、この機関車は車輪径が小さい(直径23mm)ため、Slo-mo本体がクロスレールにぶつかってしまうという問題があることが分かりました。なので、自分で専用の減速装置を作りました。(Terry氏の了承を得ています) |
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--仕様--
完成日; 2023/7 ゲージ; 32mm スケール; 16mm=1ft ボイラ; 直径37.5mm(厚み:胴1mm,鏡板1.5mm),長さ120mm 煙管; 直径18mm (肉厚:1mm) x1 燃料; ブタン シリンダ; 2, スライドバルブ, ボア; 9mm x ストローク;11.4mm 弁装置; ブラウンバルブギア 給油器; 置換式 重さ; 約1.4kg 全長; 176mm, 全幅; 76mm, 全高; 136mm -- 図面ダウンロード → Drawings_FB.zip |
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