2B1形タンク機関車
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スミシス型水管ボイラ『内がま』![]() 写真は『内がま』です。継ぎ目は設計書にある重ねる方法ではなく、内側に継ぎ板を当ててリベットで継ぐ方法にしました。 ボイラ下側の水管は直径6mmの銅管。この3本の水管は前方にかけて上り傾斜になっていて、特に火室内に当たるところは水の循環を良くする為に傾斜が強くなっています。6mmの銅管を図面に合わせて曲げ、この傾斜をつけていきますが、この程度の曲げでも何度もなまさないと曲がりませんでした。あと、この銅管を差し込む穴ですが、『鉄棒を差し込んで水管の取り付け方向にこじって向きを変える』とありましたが、ボイラがかなり変形するので、6mmのリーマーを使って取り付け角度が合うように少しずつ穴を広げました。 |
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![]() 最終的に60kgf/cm2(約6気圧)で15分間の試験をしましたが、何とか大丈夫でした。 |
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加減弁と通風器弁![]() この方法は、Peter Jones氏の『BUILDING SMALL STEAM LOCOMOTIVES』という本に載っていた方法を参考にさせて頂きました。 |
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外がま_ベルペア型火室![]() 材料は、厚み0.8mmの黄銅板を使用。 |
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![]() 火室前部上側のネジ6本は、この上にボイラバンドが付くのでM1.4皿ネジとし、下側左右4本のネジは普通のネジ(M1.7)としました。 |
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火室後板![]() |
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![]() 隙間なく取り付けるのが結構難しい。 |
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煙室![]() 手前は煙室の蓋です。これも、設計書のフランジ加工は止め、蓋の裏側に煙室の内径と同径の1mm厚の板を貼り、それにアングルを付けることにしました。 |
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煙室戸![]() |
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![]() 左から、矢尻、矢尻回しハンドル、締付けネジハンドル。 (各部の名称は、渡辺精一氏の『ライブスチーム』を参照) 矢尻は全長約18mm、材料は強度を考えてドリルロッドにしました。 |
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![]() カンヌキ(中央の四角い穴)の裏側は、厚み1mmx幅3mmの黄銅板を貼り付けて補強してあります。 |
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![]() で、閉め方ですが、最初に、矢尻を水平にしてカンヌキに差し込み、次に、矢尻回しハンドルを下に90度回して矢尻をカンヌキに引っ掛けます。それから、締付けネジハンドル(一番外側、写真右側)をきつく締めて煙室戸を煙室前板に密着させます。この、煙室戸を密着させ煙室内を気密にすることが、アルコール焚きでは重要になります。 |
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煙突![]() 裾の直径は24mm。 |
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![]() 1.7mmネジで煙室を挟んでペチコートにネジ止めしてます。 |
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蒸気ドーム![]() 裾の直径は27.5mm。 煙突もそうですが、裾のヤスリがけが結構大変です。 |
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![]() これに蒸気ドームを被せてネジ止めします。 ネジはM2にしました。 |
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タンク、キャブ、石炭庫![]() で、サイドタンクとキャブの工作ですが、板の切り出しが多くて結構大変でした。それに、設計書では左右を対称に作って屋根の中心線でつなぎ一体に組み立てることになっていますが、とても出来そうにもないので、簡単に一枚一枚切り抜いた板をアングルとピン(0.8mmの銅線)を使って組み立てました。写真は、キャブと石炭庫あたり。 |
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![]() 小さくL字に曲げた前板と、側面の板をアングルで組み合わせ、ピンでカシメて固定してからハンダ付けをしました。 下側のアングルは床との固定用です。 |
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![]() ところで、このぐらいのスケール(10mm=1ft)で1mmというと、かなり厚く感じるので0.8mm厚の板を使ったのですが、両端の手摺りの棒を取り付けるところが強度的にちょっと弱そうです。後で設計書を見たら1mmになっていました。 |
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![]() これは、結構難しそうなのと、2mmの半丸線が無いのでどうしようかと考えていたので後回しになってしまいました。で、半丸線は止めて1m厚の黄銅板を2mm幅に切り出し、角をとって角張った『D』字型にしたものを使いました。全てロー付けで組んだので少し歪みました。 |
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![]() 煙室周りの手すりは1.4mmのステンレス線。この曲げが三次元的な曲げで難しかったです。ハンドレールナップは科学教材社のもの。煙室に取り付けるものは、胴(円柱部分)を少し短くして使いました。 |
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![]() 手摺りとかステップとか、あとランプホルダーとか、後側は寂しくなりがちなので、とりあえず色々付けました。 |
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手すり、ランプホルダー、窓![]() |
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給油器![]() |
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![]() 給油器の底が見えますが、歩み板の裏から2mmほど出ています。これで、ほぼ設計書の給油器と同じ容量になりました。 給油器の高さは44.8mm(蓋を除く)、内径は12mmです。 |
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![]() サイドタンクの上面に見えているのが給油器の蓋です。このあとダミーの給水口を作り、その蓋を開けてスチームオイルを入れるようにしたいと思っています。 |
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アルコールバーナー![]() タンク部は、コの字型に曲げた黄銅板(0.8mm厚)ふたつを組み合わせて作りました。これもロー付け。 導管は直径6mmのパイプのところを、手持ちの関係で5mmのパイプを使いました。取り付け棒は設計書通り。 |
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![]() 実際の寸法が分からないので、実機の写真などから大体の寸法を割り出して作りました。大きさは、縦27mm、横幅の広いところで15mm、狭いところが10mmです。あと、踏面ですが、写真で見ると両側に縁の様なものがあって、チリトリのような形をしていたので、一応真似て見ました。 |
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![]() 残る工作としては、給水口の蓋とフロントデッキの斜めのカバー、それからブレーキホース。それと、外ボイラの内張りがあります。 -- 年内に生地完成に持って行きたかったのですが、あとちょっとで終わりませんでした。来年頑張ります。 |
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年末年始も工作![]() ここは直接走らせることに関係のないパーツなので、簡単なものでもかまわないのですが、一応給油器のある方だけは蝶番を付けて蓋が開くようにしました。給水口部分は0.5mm厚の黄銅板、蓋はパタンと閉まるようにするには、ある程度の重さが必要なので、0.8mm厚の黄銅板を使いました。ロー付けで作り、サイドタンクの上にハンダ付けしました。 |
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![]() 材料は手持ちのφ2.8mmの黄銅の棒を使いました。長さを80mmほどに揃えてから、端から大体30mmぐらいをM3のタップでネジを切ります。このネジのところがホースの蛇腹部分になります。急に折れ曲がった部分は、よく焼き鈍してから内側に10箇所ほど糸鋸で切れ目を入れ、棒の両端をヤットコかピンバイスで掴みゆっくり曲げます。曲げたら切れ目に銀ローを流しておきます。蛇腹部分のカーブも同様に曲げますが、このときバーナーを固定し、両手で棒の両端をピンバイスなどで掴み、曲げたい部分を炙りながら曲げると力を入れずに曲げることができます。微妙なカーブを付けたいときにはいいです。ただし、なまし過ぎると黄銅がもろくなって折れます。 途中にあるフランジは銅線を使いました。先端から嵌め銀ローで固定しました。先端の金具は形がよく分からないので適当ですが、0.5mm厚の板を切り抜いて作り、これも銀ローで固定。 |
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外ボイラの内張り![]() |
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スチームテスト![]() 特に大きな問題もなかったので、この次は外で走らせる予定です。 |
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屋根の追加の工作![]() この機関車の元になった実機の写真を見ると、屋根の上が台形の形に一段高くなっています。この台形部分をどう作るか?只の台形なら何とか作れそうなのですが、アールの付いた屋根の上に載っているので、単に板を張り合わせて作るのは難しそうです。なので、初めは『平らなままでもいいかな』とも考えましたが、『でも、やっぱり折角なので作ってみよう』ということで、考えついたのが骨組み(3x3の角棒に1mmの板を貼り付けて作った3x4の角棒)を作ってから、その上に0.8mmの黄銅板(屋根を切り抜いたときの板を使った)を貼り付け、その出来上がったものの4辺を斜めにヤスって台形にするという方法です。作ってしまえば、それほど難しくはないのですが、ちょっと悩みました。元の屋根にロー付けで付けました。真ん中の帯は、厚み0.8mmの板と1.5x2mmの棒で作り、屋根の裏側からM1.4でネジ留めしました。 |
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生地完成![]() -- とりあえず完成記念写真 この機関車は真横から見た姿がいいですね。 |
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やっと完成![]() |
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![]() このままではサイドタンクが寂しい感じもしますが、かと言って、カラス口と細筆でエンブレムを描くほどのテクニックも気力もないので、サイドタンクの文字とエンブレムは無しにしました orz |
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文字入れ![]() で、この2B1タンク機関車のプロトタイプは、ロビンソン設計の4-4-2タンク機関車で、元々グレートセントラル(GCR)鉄道のものと、ロンドン・アンド・ノース・イースタン鉄道(LNER)のものがあるようなのですが、そのLNERの方の機関車のタンク側面には『LNER』の文字と、その文字の下に数字が書かれているだけなので、文字だけなら何とかなるのではと思い、とにかくやってみることにしました。 写真は、文字入れの終わった2B1タンク機関車です。まあまあ、良い感じになったのではないでしょうか? |
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![]() 『JNR8620』のとき文字を書いて上手くいかなかった経験から、今回は機関車本体に直接文字を書くのを止め、真鍮板から糸鋸で文字を切り出し、それをサイドタンク側面に貼り付け(ロックタイトで接着)、それから、一文字づつ筆で色(タミヤのチタンゴールド)を塗ることにしました。使用する真鍮板は、あまり厚みがあると違和感がありそうですし、薄すぎると糸鋸で切り出すのが難しいので、0.3mm厚のものを使いました。 |
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2B1タンク機関車仕様
完成日; 2020/6/15 ゲージ; 45mm スケール; 10mm=1フィート シリンダ; スライドバルブ内側単気筒, ボア; 13mm x ストローク; 20mm 弁装置; スリップエキセントリック方式 カットオフ; 89% 給油器; ロスコー式 ボイラ; スミシス式, 直径35mm x 長さ182mm, 水管6mm x 3本 燃料; アルコール 全長; 365mm, 全幅; 86mm(キャブ), 全高; 126mm(屋根), 重量; 約3kg 走行時間; 約10分(水=100cc, アルコール=30cc, 先に水がなくなりました) |
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