Decauville Type 1
3-ton 0-4-0T |
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Decauville![]() スケールは今回も16mmですが、とにかく小さい(全長約150mm)ので、実際に作って組み立てることができるのか?また、本当に動くのか? で、とりあえず作り始めてみました。 写真は、何とか出来上がった下回り。 |
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![]() 一応YouTubeにアップしました。 -- エアーで動くところまでと思っていたので、HPへのアップが遅くなりました m(_)m |
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ボイラの製作![]() いつものように1mm厚の銅板を手巻きで巻いてから、継ぎ目に当て板をしてリベットで軽くかしめてからロー付けして作りました。煙室部分はボイラの直径より一回り小さい筒(これも手巻き)をボイラの前面にロー付けしました。 それから、後ろの方の火室っぽく見えるところはボイラを載せる台です。ガス焚きなので本来火室はいらないのですが、実機ではサイドタンクの下から少し見えます。なので、せっかくなのでそれらしく作りました。 |
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![]() 小さいボイラ(直径約39.5mm長さ82mm)の割にパーツがいっぱいあります。細いパイプ(直径3mm)は蒸気パイプです。今回はボイラの中を通します。ブッシュ類はすべてリン青銅。 |
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これまでの説明![]() まずはフレームから。今回フレームの組み立てには5mmx5mmの角棒を使いました。これまで『コ』の字に曲げた板や、厚板を使って組み立ててきましたが、今回の5mmx5mmの角棒で組み立てるのが一番いいように感じました。切断面の直角をきちんと出せば精度的にも強度的にも十分だと思います。 それから、板バネと軸箱ですが、特に板バネを四つも作るのは大変なので、ひとつだけ作って、それを原型にして黄銅で鋳造してもらいました。 |
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![]() それから、この『Decauville』はシリンダ全体が30度ほど傾いてフレーム取り付けられています。この他にもシリンダが傾いて付けられた機関車がありますが、これまで、その意味が分かりませんでした。で、今回この機関車を作ってみて、ピストンロッドとバルブロッドの上から見ての距離をとる為だと初めて分かりました。小さいシリンダではバルブチェストの中でバルブロッドを横にずらすのにも限度があるので、シリンダ全体を傾けたのだと思います。こうしないとバルブギアが組めないのですね。 |
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![]() まずは前の方から、初めはバルブクロスヘッドとコンビネーションレバー(合弁テコ)。バルブクロスヘッドは『Woolwich』のときと同じ形にしました。実機とは違う形だと思いますが、小さいので仕方がないです。その『コ』の字形の間にコンビネーションレバーが固定されます。このコンビネーションレバーも上部が二股に分かれていて、そこにラジアスロッド(心向棒)の前端がきます。バルブクロスヘッドとコンビネーションレバーをつなぐネジと、コンビネーションレバーとラジアスロッドをつなぐこのふたつのネジの間隔が1.8mm。これがバルブのラップ分を動かすのに必要な距離になります。 |
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![]() あと、写真に映っている煙室台ですが、1mm厚の黄銅板をロー付けで組みました。 |
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ボイラフィッティングと逆転機![]() |
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![]() 1.5mmと1mm厚の鉄板をロー付けとネジ(M1.4とM1.7)で組み立てました。 |
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![]() ちなみに、写真に見える安全弁は"Dewinton"のものを拝借。圧力計は、たぶんイギリス製、給水バルブはACCUCRAFT製です。 |
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サイドタンク![]() 写真のように、前板と側板の角にはアングルを使いました。始めにアングルを前板に軽く銀ローでロウ付けしておいてから、次に銅線(今回は0.8mm)でかしめ、最後にハンダを流して組みました。 |
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![]() サイドタンクとキャブ両サイドのフェンスは、実際に継ぎ板をして、銅線でかしめてからハンダを流して繫ぎました。 写真のサイドタンク側面から下面にかてのリベットは間違えて打ったものです。左側のサイドタンクにはこのリベットがありますが、水槽とコールバンカーの仕切りのところのリベットです。ですが、右のサイドタンクにはコールバンカーがないのでリベットはいらなかったのです。後で、ハンダを流してからヤスリで削り落とします。 サイドタンク下側の切り抜きは、こちら側のサイドタンクにガスタンクを入れるために開けてあります。 |
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![]() 銅線のリベットを打つのにもだいぶ慣れました。それと、多少の数なら苦にならなくなりました。 |
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バッファービーム![]() 毎回バッファービームに使っている厚み1.5mmの鉄板を使いましたが、ちょっと厚過ぎましたね。スケールどおりに作ると1mmぐらいになるんでしょうけど…、それはそれで直ぐに曲がってしまいそうですし。 リベットには太さ1.1mmの銅線を使いました。頭の直径は1.6mmぐらい。 |
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![]() よく見ると、リベットの頭の大きさがまちまちです。 まだまだ修行が足りませんね ^_^; |
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![]() バッファービームをフレームに取り付けるためのアングルですが、いつもは銅線でカシメた後にハンダを流しています。でも、そうすると後で耐熱塗料が塗れなくなる(ハンダが溶けて焼き付けが出来ない)ので、カシメだけにしました。もしかしたら緩みとかが出るおそれもありますが、実験です。 フレームに取り付けるためのアングルは外側だけです。上側に付いた小さいアングルは、運転室の床を固定するためのアングルです。これもカシメのみ。 |
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キャブが出来ました!![]() |
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![]() アングルの支柱に梁を渡した構造です。組み立てはハンダとリベット。 |
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![]() 手頃な市販品が見つからなかったので自作しました。0.8mm厚の黄銅板を帯状に切り、ロー付けで貼り合わせて作りました。一辺は大体3.8mm。 この後、これだけ(0.8mm厚の黄銅板)では弱いので、内側に市販の3mmx3mm厚み0.5mmのアングルを半田付けしました。 |
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![]() こちらは特に角が丸くなっても構わないので、簡単に板を折り曲げて作りました。 |
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![]() 大きかったので、サイズに合わせて少し切りました。 |
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煙突と煙室扉とドーム![]() 左端の煙突、ベース部の固定用ナットが6個あるのですが、前後の4本はダミーです。実際に効いているのは左右の2本だけで、ここにM1.4ナットをロー付けして、煙室の内側からネジで固定しました。スチームドームとサンドボックスは、いつもと同じく、ただ被せてあるだけです。 |
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![]() 扉は今回も丸棒(30mm)から作りましたが、やはり、この丸棒で作る方法が一番簡単だと思います。ヒンジの部分は、扉に付く方、煙室前板に付く方、共に4mmの黄銅の角棒から削り出して作りました。ヒンジの帯の幅は大体2mm、スケール的にはやや広めの幅です。 あと、扉の位置ですが、もう少し上(サイドタンクが下)でも良かったかなと思っています。 |
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排気管の取り付け![]() |
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ステップ ![]() |
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ガスタンクの製作と取り付け![]() 手持ちの材料と作り易さの関係で、写真のようにL字に曲げた板を3枚組み合わせて作ることにしました。板の厚みは1.5mm、すべてロー付けです。この3枚の板の他に補強の為の『く』の字形の板が、写真左側の板と写真中央の板の間に入ります。写真右端の板を最後にロー付けします。 |
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![]() ガス調整バルブとガスバーナーへのユニオンジョイントは、3mmの銅パイプで直接ガスタンクにロー付けしました。 大きさの比較に百円ライターを並べてみました。 |
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![]() ガスタンクを組み込んだサイドタンクは、ネジ6本とユニオンナットを外すことによって、そっくり本体から取り外せるようにしました。また、ガスタンクも、ユニオンジョイント部分のネジと調整バルブのツマミのネジを外せばサイドタンクの底から引き抜くことが出来ます。 サイドタンクのマンホールも作りました。ガスの注入は、このマンホールの蓋を外して入れることになります。 |
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小物の製作![]() 写真は、右側サイドタンクのマンホールの蓋を外したところです。ここからガスタンクへのガス注入を行います。枠は少しだけ段をつけ、サイドタンク上に開けたの穴に嵌めてから半田付けしました。それから、蓋の取っ手ですが、一応キノコ型にしました。取っ手は下の方を1mm程の細さに削り、やはり蓋に開けた1mm程の貫通穴(これが重要;穴を貫通させておかないと中の空気の膨張で取っ手が飛び出すことがあります)に差し込み、取っ手の根元に小さく(約0.4mm角)切った銀ローを置きロー付けしました。この際、気を付けないといけないのが、ロー付けの対象に大きさの差があることです。銀ローは融けると温度の高い方に動くので、取っ手の方を手前にしてバーナーで炙ると、小さい取っ手の方が先に熱くなって、銀ローが取っ手に上がって来て上手くロー付け出来ません。ですので、バーナーで炙るときは、直接取っ手にバーナーの炎が当たらないように蓋の裏から炙ります。 写真はありませんが、左側のマンホールは蓋をあける必要がないので、旋盤で一体で作り、底にM1.7のネジを切り、サイドタンクの内側からナットで取り付けました。 |
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![]() このカップリングを作る上で一番の問題が、円筒形の部分を囲うΩ形のところでした。これを一枚の板を曲げて作るのは無理だろうと判断。で、L形の部分と、前方の平らな四角の部分を別々に分けて作ることにしました。L形の板を二枚背中合わせにし、その間に平らな板を挟んでロー付けして作りました。角はヤスリで削って丸くしました。それから、その囲まれた中の円筒形のところは旋盤で、台形状のところと前面の板はヤスリで削って作り、それぞれをロー付けで組み立てました。バッファービームへの取り付けはM1.4の六角ボルト(動輪舎製)を使いました。 |
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![]() 4.5mmの黄銅棒から旋盤で作りました。もちろんダミーで、屋根を留めるナット代わりです。 |
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![]() これも旋盤で作りました。ここはロー付けほどの必要もなさそうなので、1.4mmステンレス線にロックタイトで接着にしました。それと、前述したようにロー付けでは空気の膨張で上手くロー付け出来ないと思ったので。 |
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![]() 『Woolwich』にもありましたが、何に使うのかも不明。で、これも旋盤でφ10mmの黄銅の丸棒を挽いて作りました。突っ切ってからヤスリを使って角丸の菱形に仕上げました。 |
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![]() で、このパーツの土台となる方(バネと4本の柱が立っているところは別)ですが、旋盤で18mmの黄銅の丸棒を挽いて写真の様な形に作り、それから、上のバネのあるところを作りました。バネのあるところは、厚み0.8mm直径7mm弱の黄銅板の上にφ1mmの線(ステンレス)4本と、φ0.6mmの銅線を巻いて作ったバネを立て、その上部に2mm強x6mm強の厚み0.6mmの板を嵌めてロー付けしました。で、この二つをロー付けするときに、少し変化をつけたかったので、バネのある方のパーツを少し土台上面から沈み込ませた感じ(0.5mmほど)でロー付けしました。 実機の写真などを見ると、ドームへの取り付けは8本のボルトで行われているようなのですが、8本も締めるのは面倒なので、4本だけで取り付けることにしました。写真、頭の黒いボルト4本が効いているボルトです。一方、白っぽいボルトは頭だけで、パーツ側にロー付けされています。 |
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試験走行の準備![]() まだ小物は残っているのですが、完全なスケールモデルではないので、適当なところで切り上げて試験走行の準備をすることにしました。 写真は、バスコークでシリンダの後蓋のシーリングをしているところです(ちょっと付け過ぎ)。この他にバルブチェストと水面計、それからレギュレータ周りなど、蒸気の通るところでネジを締め付けて蓋をしたり繋いだところは全て同じようにシーリングします。 |
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![]() 今回は煙室内の蒸気管の接続部分にOリングを使ったこともあり、いつもより丁寧にセラミックシートを貼りました。まだ露出している銅パイプも、この後貼ります。それと、煙室扉の裏側と、ガスタンクの入る右側のサイドタンクの内側(ボイラ寄りのみ)にも貼ります。あと、吐出管の裏側(煙管側)にも貼る予定です。 |
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試験走行![]() 試験走行の様子を撮った動画をアップしました。動画のページにリンクがあります。 -- 試験走行も済みましたので、この辺で生地完成としたいと思います。あとは塗装ですが、いつになるかわかりません。一応、仕様を載せておきました。それと、設計図をダウンロード出来るようにしておきましたので、宜しかったら見て下さい。 |
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試験走行終了後の点検と修理![]() それから、バルブチェストのスタフィングボックス部から、蒸気の漏れがあったので直しました。バルブロッドの太さ直径1.4mmに対して、ここに使ったOリングの内径は1.5mm。そもそも、このままでは隙間があるので、Oリングを少し潰して面積を広げ、漏れを防ぐつもりで設計しましたが、ドリルの深さが若干深く、隙間がなくなるほど潰れなかったようです。なので、写真のように、Oリングの手前(前方側)に0.4mmほどの厚みの黄銅板を入れ、Oリングが潰れるようにしました。ただ、このままではスタフィングボックスのネジ蓋の締め付け加減が微妙となり、締め過ぎにより、逆にバルブロッドの動きが悪くなってしまうこともあるので、丁度、漏れもなく動きもスムーズなところでスタフィングボックスのネジ蓋が回転しないように、スタフィングボックス上部にネジ蓋固定用のネジ(M1.4)を付けました。 |
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