GUINNESS
0-4-0 side tank locomotive |
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今度は "GUINNESS" ビール会社の醸造所で使われていた機関車です。 写真は、作り始める前にボール紙を使って作ったモックアップです。Peter Angus氏の本に三面図があったので、それを参考にしましたが、詳細な寸法が分からないので、写真などからおおよその寸法を割り出して作りました。ゲージ幅は32mm、スケールは一応16mmです。ちなみに、Peter Angus氏は7/8インチスケールで作られたようです。 |
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フレーム とりあえずフレームを切り出しました。厚みは1.6mm。 それにしてもこのフレーム、独特な形をしていますね。以前、オーバータイプを作った時は、シリンダをボイラに直接固定したので、ボイラのちょっとした傾きでクランクシャフトと車軸間の距離が変わってしまい苦労しましたが、これなら、その問題もなさそうです。この手があったのかという感じです。 (でも、実際は車輪にバネ装置があるので、クランクシャフトと車軸の間に突っ張り棒みたいなのがあったりして、もう少し複雑な構造になってます。) |
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軸箱と、その関連部品 写真左の真鍮で出来たパーツは、軸箱を固定する横棒(1.6mm厚鉄)をフレームに取り付ける為のパーツです。写真右上の真鍮ブロックから削り出したパーツを、0.8mm真鍮板で作った山型のパーツ(写真右下)で挟んで作りました。六角ネジは飾りで、ロー付けで組み立てています。 |
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真ん中に丸い穴のあいた四角いパーツが軸箱です。横棒に挟んで上下をネジで固定します。大きさは12mmx12mm、穴の直径は6mmです。今回車軸ブッシュには内径3mmのボールベアリングを使おうと思っています。 |
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バネ部分を構成するパーツ(全てダミー)です。このバネ部分は完成してからも結構目立つので、一応それらしく見えるように作ったつもりです。 |
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左の写真は、組み立てたパーツをフレームに取り付けたところです。 |
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上部軸箱 クランク軸を受ける軸箱です。呼び名が分からないので、とりあえず上部軸箱と呼びます。で、作り方ですが、真鍮の丸棒を写真左のように旋盤で削ってから、四角い部分とフランジ部分をヤスリで削り出して作りました。 |
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上部軸箱の裏側です。フレームのΦ6mm穴にぴったり嵌る出っ張りを付けて、心がズレない様にしました。ネジ穴が10個あいていますが、フレームには四隅のネジ(M1.4)4本で取り付け、残りの6ヶ所は飾りのネジが付きます。 |
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写真は、上部軸箱をフレームに取り付けたところです。 |
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複動2気筒オシレーチングエンジン 今回の"GUINNESS"には、当初、"その他の工作"で作ったオシレーチングエンジンを使うつもりでしたが、フレームの間に収まらないので、新しくシリンダ内径8mmの少し幅の狭いエンジンを作りました。構造は、"その他…"のオシレーチングエンジンとほとんど同じですが、シリンダと蒸気板のポート径を1.6mmに変更しています。あと、逆転機も、今回はちょっと考えがあって、本体と一体とはしませんでした。 |
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左の写真は、今回作ったエンジンをバラしたところです。 ピストンの溝には、まだ何も入れていません。Oリングにしても良いのですが、今回は使い慣れたグラファイトヤーンにしょうかと思っています。スタッフィングボックスの方は、クロスヘッド?(クランクピンのはまるところ)をピストンロッドにロー付けしてしまったので、Oリングを入れられなくなってしまいました。なので、ここにはグラファイトヤーンかテフロンの撚り紐を詰め込むことになります。 |
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クランク クランクは旋盤を使ったいつもの方法で作りました。丸棒(直径18mm)の真ん中に3mmの穴を6個分の長さであけてから出っ張り部分を削り、クランクの厚み(4mm)プラス出っ張り分(0.5mm)で突っ切ります。同じ物が6個出来たら、その中心の3mmの穴に適当な棒を通し、6個をロックタイトで接着します。今度は、それを四つ爪に掴み直し、6個まとめてクランクピンの入る穴をあけます。クランクピンの穴をあけたら、そのまま6個まとめて外形を仕上げます(写真)。この後バーナーで軽く炙って剥がします。 |
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左の写真は、クランクにクランクピンを立てたところです。ピンはロー付けで立てましたが、酸洗い後右ふたつが写真の様な色になってしまいました。クランクピンに2mmのステンレス線を使ったつもりが、2個だけ、その辺に転がっていた2mmの棒を使ったのですが、それが鉄だったみたいです。 |
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エンジンマウントアダプター エンジンそのままではフレームに取り付けられないので、アダプターを作りました。エンジンに6個のネジで取り付けられている真鍮板(厚み3mm)が、それです。写真その下は、フレームの間に渡す板です。この上にエンジンを乗せ、3個のネジで取り付けます。ネジ穴を少し縦長してギアの大きさを替えたときにも対応出来るようにしました。現在のギア比は15対40です。 |
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カップリングロッド この機関車のカップリングロッドには、水平方向のものと縦方向のものが有ります。縦方向のカップリングロッドは『L』字形をしていて、その『L』字形の下側の短い棒の先に連結部分があり、その連結部分から、もうひとつの水平方向のカップリングロッドで前輪に繋がります。連結部分は1.6mm厚のロッドの両側に1mm厚の板(鉄)をロー付けして作りました。 クランクピンの穴は、3mmの穴をあけてから、内径2mmのブッシュを入れました。クランクの中心に0.5mmほどの出っ張りがあるので、このブッシュで高さを稼いでいます。 |
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待ちきれずに、動かしてみました。 動画をYouTubeにアップしました。 -- カメラ片手に、もう片方の手でコンプレッサーからのホースの途中をヤットコで摘んで圧力の調節をしています。 |
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逆転機の取り付け エンジン本体とは一体としなかった逆転機ですが、写真の様に、右側のフレーム内側に取り付け、これをフレーム後部の逆転レバーで操作するようにしました。 写真は手前のフレームを外して撮っています。 |
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給油器はフレームの外側側面に配置しました。サイドタンクの中に収まる格好です。ただ、サイドタンクの高さがないので給油器はかなり小さめです。なので、全長を長く出来ない分、直径をいつもの12mmではなく12.7mmのパイプを使って作りました。また、中のパイプにあける穴も、スチームオイルの消費を抑える効果を狙って0.7mmと少し小さくしてます(いつもは0.8mmから1mmぐらい)。 |
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ボイラと、その関連部品 ボイラは、いつもの手巻きで作りました。直径は41mm。この機関車はボイラの上部にエンジンがくるので、安全弁や給水口などをボイラの上に一直線に並べて配置することができません。なので、それらの関連部品用のブッシュをロー付けした円筒形の柱をボイラの後部に立てることにしました。左奥は給水口用のブッシュです。 |
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まだ、ボイラの水圧試験をしていないので仮組みですが、関連部品を取り付けてみました。円筒形の右側に加減弁(いつものを横に寝かせた感じ)、手前は水面計です。左側には圧力計が付きます。ちょっと、ひとつにまとめ過ぎた感じですが、たぶん大丈夫でしょう。 安全弁は未だ作っていないので、"OVER TYPE"のものを一時拝借しました。 |
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ガスバーナー 左の写真はガスバーナーの空気口部分です。これまで、煙管にはまるところを先に旋盤で削ってから、その削ったところを四爪で掴み直し、2mm程編心させ、この空気口の部分を削っていましたが、今回は簡単にふたつの部分を別々に旋盤で削ってからロー付けして作りました。この後、空気口の部分を旋盤で掴みバーナを差し込む穴(6mm)をあけます。 |
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バーナー部分は直径6mmのパイプ(真鍮)を使いました。火口は幅約0.5mm、2.5mm間隔で16個あけました。 空気口を直径5mmで4カ所あけましたが、空気が不足するようであれば6mmに広げるつもりです。 |
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サイドタンクの製作 1 とりあえずガスバーナーを作ったのですが、この後のガスタンクはサイドタンクの中に入れるつもりでいます。なので、ガスタンクを作る前にサイドタンクを作ることにしました。写真はリベットの穴をあけ終えたところですが、穴の数は片側で105個。無さそうで意外にあります。前後の曲げは 2track Shayの水槽を作るときに使った曲げ金具を使いましたが、そのときとは違って既に出来ているフレームの寸法に合わせて正確に曲げなければいけないので、 2track Shayのときの『ほぼ正確』ではダメなので、なかなか一回では正確に曲げられず、かなり手こずりました。 |
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サイドタンクの製作 2 やっと綺麗に曲げられたかと思っていたサイドタンクでしたが、よく見たらリベットの穴あけを前後間違えてあけていました。なので、思い切って作り直しました。 0.8mm厚の真鍮板が少なくなってきたので、今度は鉄板を使って作りました。角の曲げは二度目でも難しかったです。 |
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サイドタンクをフレームに取り付けました。 鉄板でサイドタンクを作ったせいか、フレームに取り付けたら、何となく装甲車みたいな感じになりました。 フレームには4x4(厚み0.6mm)のアングルを前後に取り付け、それで固定しました。前側のアングルは外側に、後側のアングルはサイドタンクの内側に入っています。あと、リベットの数を少し増やしました。 |
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煙室周りの工作 今回のボイラは煙室部分も一体で巻いたので、そこに直接煙突を立てました。煙突は胴の部分とキャップとベースを別々に作ってから、ロー付けで組み立てました。 煙室の蓋は写真の様な形をしていてヒンジで上側に開きますが、前板に穴をあけていないので、ここからガスバーナに点火することはできません。今のところ煙突の先端からの点火を考えています。穴をあけてしまうとバーナーの炎が直接煙室の蓋(厚み0.8mm)を熱して熱くなり過ぎてしまうのではと思っています。一応、煙室内側と煙室前蓋に5mm厚のセラミックシートを貼るつもりでいます。 前板はM1.7ネジで両サイドのフレームにサイドタンクと一緒に固定します。 |
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煙室の蓋に付くヒンジを作っているところです。ヒンジのパイプ部分は、形を仕上げる前の四角い板のときにをロー付けしておきます。パイプの直径は1.6mm。芯には太さ0.8mmゼムクリップを伸ばして使っています。 |
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左の写真は、煙室を上から見たところです。煙突は煙室底の四角い穴からドライバーを入れてM1.4ネジ4本で内側から固定するようにしました。排気管の固定も内側から締めます。 写真右に写っているのは煙室の前板です。裏側のリング状部分を煙室内側に填めてボイラ前部が動かないようにします。 |
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こちらは、排気関係の配管の様子を煙室の内側から見たところです。やはり煙突から出る煙(湯気)を見たいので、逆転機からの排気管を一度煙室の中に入れてから、煙突の中に持っていくことにしました。 |
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バンパー(?)とフットプレートと床板 前後のバンパー(?)とフットプレートを作る前に、サイドタンク四隅の裾が1.5mmほど短かったので、板を少し足すことにしました。裾の先端を切り取ってから、追加の板をハンダ付けしましたが、ハンダだけでは強度的に心配なので、その後銅線でカシメてから、更にハンダを流しました。 |
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フットプレートは、裏側にアングルをハンダ付けしてから、そのアングルでフレームにネジ留めします。 |
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工作の順番としては、はじめにバンパーを作りサイドタンクに固定してから、そのカーブに合わせてフットプレートを作り、その後床(底)板を作りました。 |
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大体形が出来ましたが、まだ、車輪がありません。 ところで、左写真のフロント左右フレームの間にあるものですが、実際には何に使うものかは分からないのですが、工作の参考にした実機の写真に写っていたので、一応形だけ真似をして作ってみました。 |
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トップカバー トップカバーを作るかどうか迷ったのですが、やっぱり作ることにしました。せっかくなので、蓋にヒンジを付けて開けられるようにして、エンジンが見られるようにしました。 写真は、トップカバーの枠を裏側から見たところです。枠は、前後両端の丸みのある部分を枠の梁として使って、それに縦方向の梁をロー付けして作りました。 |
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とりあえず、どこにも当たらずに蓋を閉めることが出来ましたが、大きい方のギアが結構ギリギリでした。煙突もギリギリ。 あと、このトップカバーは黒色に塗るつもりでいますが、今のところオキツモの耐熱スプレーを使うことを考えています。この塗料は硬化に焼き付けが必要なので、ヒンジや取っ手などは全てロー付けにしました。 |
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トップカバーを開けたところです。 |
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