2 Truck Shay -1
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ベベルギヤの改造 写真は、今回のシェイに使用するベベルギヤとベベルピニオンです。歯数40対10のものを購入しましたが、図面を書いてみると、ベベルピニオンのシャフトと車軸の間に軸受けを入れるスペースが充分とれないことがわかりました。なので、ベベルギヤの表面を元々の面より1.5mm落とすことにして、スペースを作ることにしました。加工の前に表側に付いているハブを削り取ります。裏側でかしめてあるだけなので、ヤスリで削ってから叩いて抜きました。ベベルピニオンは、このまま使う予定です。 |
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ハブを抜いた穴に、ぴったりはまる様に旋盤で削ったφ12mmの真鍮丸棒を裏側から差し込んでロウ付けします。(写真左端)そのφ12mmの真鍮丸棒を旋盤で掴んで、中ぐりバイトを使って表面を10mmの直径で深さ1,5mmほど落としました。φ12mmの真鍮丸棒は、ベベルギヤ底面から2mmの所で突っ切ります。これで、軸受けに車軸の先端が2.5mmほど入るはずなのですが…。 |
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改造の終わったベベルギヤです。車輪にはM2のネジで固定します。3つの小さな穴はそれ用。 |
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軸受箱 軸受箱は、シリンダ製作用に購入した15mmx15mmの真鍮角棒から作りました。ベベルピニオンのシャフトが通る穴(φ2mm)と軸受を差し込む為の穴(φ4mm)は、成形してからでは基準面が無くなって穴開けが難しそうなので、始めに旋盤を使って開けておきました。右手前の丸いのは軸受けです。 |
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いきなり加工が進んでいますが、糸鋸とヤスリを使って成形しました。 |
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軸穴を0.8mm厚の真鍮板で蓋をしました。1mmの銅線でかしめてます。 |
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軸受箱完成 表側縁に1.5mm幅の真鍮板(1mm厚)と、内側に軸受をロウ付け。この後、軸受のはみ出たところをヤスリで削って、最後に台車に固定する為のネジ穴を開けて完成です。 |
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試しにベベルギヤとベベルピニオンをセットしてみました。ちゃんと回りました。で、この軸受け箱、合計で8個(右側用4つ、左側用4つ)いるのですが、作るのが結構大変です。なので、ロストワックスで鋳造してもらうことにしました。左側はベベルピニオン用シャフト穴を埋めて使う予定です。 |
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コラムの製作 これも材料は軸受箱と同じく、15mmx15mmの真鍮角棒を使いました。”ライブスチームのシェイを作ろう”を参考に作りましたが、上部ボルスタと下部ボルスタの間にスプリングを入れないことにしたので、それに合わせてだいぶ形を変えています。写真右は表側の肉抜きになる部分です。銅板(厚み1.6mm)を糸鋸で切り抜きました。 |
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コラム完成 表側に切り抜いた銅板をロウ付けしてから、はみ出たところをヤスリで削りペーパーで仕上げました。下部ボルスタに固定するネジは今のところ後側2本だけですが、表側が浮くようであれば下部ボルスタの裏からもネジ留めするつもりです。これも4つ必要なので鋳造してもらいます。 |
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車輪の製作 車輪は全部で8個使います。なので、これも原型を作って鋳造してもらおうと思っています。リムは、輪切りにした直径30mmの真鍮丸棒をドリルで12mmに開けてから、中ぐりバイトで内径22mmまで広げました。ハブは直径12mmです。 |
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スポークは、2mm厚の真鍮板を車輪の厚みより1mmぐらい低くなるような幅にしてから、表側になる方を半丸状に削り、リムとハブの間にぴったりはまる長さに揃えて切りました。 |
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スポークをハブにロウ付けしているところです。スポークの位置をけがいたヤトイ(0,8mm厚の真鍮板)の上にスポークを置いて、ヤトイごとロウ付けしました。この後、リムがぴったりはまるようにスポークをヤスって調整してから、リムを押し込んでロウ付けします。 |
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車輪の完成です。 裏側のヤトイは旋盤を使って削り落としました。 |
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バルブギアのシミュレーション装置 当初バルブギアは”De Winton”と同じスリップエキセントリックでいくつもりでしたが、前回のリベンジの意味を込めてスチーブンソン式にしようかと思っています。一応図面には描いてみたのもの設計通りに動いてくれるかを確かめたくてシミュレーション装置を作りました。と言っても毎度のことで適当ですが…。図面を2倍の大きさでプリントアウトし、それを切り抜いてボール紙に貼付けたものを組み立てました。 ちなみに、写真は前進フルギアでクランクピンが上支点にあり、上のスチームポートが開き始めるところです。(クランクピンは時計回り) |
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バルブギアの設計 前記シミュレーション装置で、何とかスチーブンソン式バルブギアも出来そうな気がしてきたので、エンジンや逆転機の寸法や取り付け位置など、他の関連する要素を考慮して、さらに詳細な(当社比)図面を書いてみました。この後は、ひとつひとつのパーツの図面を書いてから、それを正確に作って組み立てるだけです。それでも合わないところは、何時ものように現物合わせで何とかしようと思っています。それにしてもホントに出来るのか、まだ半信半疑です。でも、ダメならスリップエキセントリックという手もあります。 |
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シリンダの製作 シリンダは17mmx17mmの真鍮角棒から作りました。大体1mmほど長めの寸法に切り出してから旋盤で面を整え、ドリルで8mmまで穴をあけ、それから、中ぐりバイトで9.8mmまであけて10mmのリーマを通しました(ひとつリーマを失敗して、ちょっとギザギザになってしまいました)。 バルブチェストも17mmx17mmの真鍮角棒で作りましたが、それを縦半分にしてから旋盤とヤスリで整形しました。真ん中のくり抜きは、糸鋸で切り抜いてからヤスリで整えました。あと、シリンダを2つ並べたときの幅を広くしたくないので、シリンダ(17mmx17mm、長さ21mm)の中に蒸気通路を作ってしまうことにしました。 シリンダとバルブチェストの側面に開いているネジ穴(M5)は、給気用と排気用の穴です。 |
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蒸気通路の穴をあけました。いつものようにリューターと丸カッターであけましたが、穴がシリンダに抜けては困るので、写真に写っている厚みを測るもの(名前?)で、肉厚を確認しながらあけました。1.4mmから2.3mmまでの丸カッターを使って徐々にあけていきました。 |
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リーマを失敗した方のシリンダですが、そのままでは気になるので、真鍮の丸棒でピストンの様な物を作り、それに紙ヤスリを巻き付けて、シリンダの内面をラッピング(?)しました。ついでに、もう1つの方もラッピングしておきました。 |
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シリンダの製作-2 今日は、シリンダの蓋を作りました。写真の下の方に写っているのは今回の穴あけに使った治具です。”ライブスチームのシェイを作ろう”に出ていたので作ってみました。ちょっと手抜きで、真ん中のネジは省略しました。でも、いつものように蓋側の穴を広げたりして位置を修正することもなく、ぴったり合いました。蓋を止めるネジはM1.7。 |
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シリンダの製作-3 バルブチェストにスタフィングボックスをハンダ付けしました。この後はみ出たハンダを綺麗にするのが結構大変です。 |
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ピストンは今回もリン青銅で作りました。ピストンの溝は、幅約1.5mm深さも約1.5mmです。あとでPTFEヤーンを巻き付ける予定です。クロスヘッドは12mmの真鍮丸棒から作りました。ピストンをシリンダにセットし、スムーズに動くところで丸棒を平に削りU字に切り抜ぬいてから、両面に1mm厚の真鍮板をロウ付けしました。 |
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シリンダの製作-4 せっかく作ったクロスヘッドですが、厚みがあり過ぎて格好が悪いので、新しく作り直しました。それで、この際、”ライブスチームのシェイを作ろう”に出ていた、シリンダフレームというシリンダの支えを作ることにして、クロスヘッドは、この中を通る大きさにしました。ちょっと小ぶりになりました。 |
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写真は、シリンダフレームを旋盤で削っているところです。始めに8mmのドリルで穴をあけておいてから、12mm丸棒で作ったヤトイを使って外形を削りました。フランジ部分は直径16mm、筒の部分が14mmです。この後、糸鋸とヤスリで余分なところを削り取り、最後に紙ヤスリをかけて仕上げました。 |
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シリンダの製作-5 シリンダ完成しました。 スライドバルブは、今回もWild Roseと同じ形のものにしました。(もう、一種の手抜きですね) ところで、渡辺精一氏の『ライブスチーム』には、”シリンダは、広い意味では、ピストン・蒸気室・ピストン弁或は滑り弁などを含めた、シリンダブロックを言う”と書かれています。でも、今回参考にしている平岡幸三氏の『ライブスチームのシェイを作ろう』には、”アメリカでは『エンジン』と言うと機関車全体を示しますが、日本の習慣に従がって自動車と同じように『縦型三気筒のエンジン部」をそのように呼ぶことにします”と書かれていました。なので私も、これからは『エンジン』と呼ぼうかなと思っています。 |
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逆転シャフトブラケット 逆転シャフトの支え(写真凸型のもの)です。真鍮の丸棒(直径25mm)を旋盤で3.5mmの厚みに突っ切り、それを糸鋸で切り抜いて作りました。シリンダフレームへの取り付け位置は、一応作図して決めました。 |
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バルブギアの下準備 バルブステムクロスヘッドです。これも真鍮の丸棒を輪切りにしてから、糸鋸とヤスリで削り出しました。このバルブステムクロスヘッドに、リンクブロックを介してリンクが接続されます。 |
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バルブステムクロスヘッドガイドです。作り方は上記と同じです。シリンダフレームへの取り付は、取り付け場所の厚みが2.5mmぐらいしかなかったので、M1.4のネジを使いました。ガイドプレート(L型のもの)の固定もM1.4にしました。 |
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バルブステムクロスヘッドが軽く動くように、当たっているところをヤスリで削って調整しました。なかなか一回では決まらないので、外したり取り付けたりを何度か繰り返して、やっと取り付けが完了しました。 いよいよ次はスチーブンソン式バルブギアの製作です。 ところで、”バルブギヤ”じゃなくて”バルブギア”でした。間違えていました。 |
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クランクシャフトブラケットの製作 「いよいよ次はスチーブンソン式バルブギアの製作です」なんて書きましたが、その前にクランクを作らなければいけなかったのです。で、先ず、そのクランクとシリンダを支えるクランクシャフトブラケットを作りました。と言っても、『ライブスチームのシェイを作ろう』に出ているような立派なものでなくて、単純な『コ』の字型のものです。2mm厚と3mm厚の真鍮板をピンで留めてからロウ付けして作りました。 |
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ロウ付けした後糸鋸とヤスリで整形してから、クロスヘッドの通る穴と、シリンダの取り付け穴をあけました。取り付け穴はM1.7です。シリンダの蓋を取り付けるネジ穴と同じなので、その時のジグを使いました。 |
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クランクの製作 Wild Roseとほとんど同じシリンダなのですが、全長を1mmほど短かくしたので、その分少しクランク長を短く6.3mmとしました。で、作り方ですが、今回は簡単に真鍮の丸棒から作ることにしました。先ず、旋盤の四爪でクランクのシャフトの通る穴をあけておいてから、次に三爪に掴み直し突っ切りバイトで切っていきました。この後下の写真のように、両サイドの余分なところを糸鋸で切り取りヤスリで整えました。 |
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次はロウ付けです。いつものように串焼きの要領でシャフト(4mmステンレスロッド)を通してロウ付けしました。いつもはなかなか綺麗に流れなくて苦労するステンレスのロウ付けですが、でも今回は、少しは慣れてきたのか、まあまあ綺麗に流れてくれました。フラックスをまんべんなく、たっぷり塗ると良いみたいです。 |
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余分なシャフトの切断です。が、間違えて使う方のシャフトを切断してしまいました。急いでもう一度バーナーで炙って、中に残ったシャフトを抜きました。集中力が無いと言おうか、おちょこちょいと言おうか。まあ、でも、なんとか心も狂わずに外すことができました。写真は、外した後です。 |
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なんとか出来ました。 |
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コネクティングロッド コネクティングロッドを作りました。真鍮の切れ端と2mmのステンレスロッドで作りました。クロスヘッド側はネジを切って、ロックタイトで接着。クランク側もネジを切り、こちら側でロッドの長さを調整できるようにしました。長さが決まったらロックナットで固定します。次はバルブギアです。 |
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