JOHN FOWLER
6"x10" TANK LOCOMOTIVE


一般配置図(GENERAL ARRANGEMENT)
generalarrangement今回製作する機関車で、ライブスチームの機関車を作り始めてから、ちょうど20作目になります。この記念すべき20作目にJOHN FOWLER のサドルタンク機を選びました。私の好きなプランテーションスタイルのキャブの機関車です。軸配置は0-4-0。スケールは16mm、ゲージ幅は32mmでガス焚きです。一応、設計は終わっているのですが、見直すたびに修正箇所が見つかって、いつになってもキリがないので作り始めることにしました。


フレームの切り出し
frame今回もフレームから作り始めました。写真は切り出しが終わったフレームです。板厚は1.5mm。小さい機関車なので1.2mmの板厚でも問題なさそうですが、手持ちの関係で今回は1.5mm厚の鉄板にしました。
JOHN FOWLERの6"x10"シリンダーの機関車には、この0-4-0にそっくりな形をした同じサドルタンク機の0-4-2があります。その0-4-2の一般配置図は現在でも見ることはできるのですが、今回製作する0-4-0の図面は見つかりませんでした。なので、0-4-2の図面を元にフレームの長さを短くするなどして、自分なりに0-4-0用に設計を変更して作ることにしました。


フレームの組み立て
frame_2フレームが組み上がりました。ただ、ちょっと心配なのが、スライドーバーブラケット(フレーム側面やや前方に付いているパーツ)の取り付け位置です。この位置でいいのか、ちょっと、自信がないです。
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図面をダウンロードできるようにしておきました。興味のある方は参考までに見てください。
関連図面 → Frames.pdf

frame_3フレームの組み立てには5mmx5mmの角棒(真鍮)を使用しました。この角棒の寸法と両端の直角がフレームを組み立てる上で最も重要だと思っています。なので両端は旋盤で加工し、寸法も5/100mm以内の誤差に収まるようにしました。写真の右半分はフロント側ですが、ここは上からフレーム内が丸見えになってしまうので、上側の固定には5mmx5mmの角棒を使わずに1mm厚の真鍮板を曲げて作ったアングルを使用しました。


足回りの工作
axlebox_2軸箱と板バネ(ダミー)を作りました。
軸箱はホーンブロックを挟む形にするため二つに分割して作り、ネジで組み立てることにしました。
板バネは幅3.0mm、厚み0.5mmの真鍮板が7枚重なっています。一つの板バネに必要な分の板を切り出すだけでも、100mmほどの長さを糸鋸で切ることになります。4個分ともなると結構大変な作業になります。なので、今回も一つだけを作って、それを原型として鋳造することにしました。板バネの両端を引っ掛ける『?』のような形のパーツも鋳造にしました。
原型は、縮みを考えて少し大きめに作っておいた方が良さそうです。鋳造後少し縮みました。

axlebox_1裏側から見たところです。
車軸の太さは4mm。今回、軸受には一号機以来ずっと使っていなかったシールドベアリングを使ってみることにしました。
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関連図面 → SpringsAxleboxes.pdf


コネクティングロッドとカップリングロッド
CouplingRodコネクティングロッドとカップリングロッドを作りました。写真はクランクにセットしところですが、結構厚みがありそうに見えます。でも、実際には1.5mmしかありません。
で、カップリングロッドの方ですが、実は、これが意外に難しかったりします。かつて、私がライブスチームの機関車を作り始めた頃、カップリングロッドをクランクにセットし車輪を回そうとしたところ、どこかが引っ掛かってスムーズに回らず、結局、カップリングロッドの取り付けを諦めたこともありました。
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今回から関連図面はPDFで表示することにしました。(以前のものもPDF表示にしました) Connecting&CouplingRods.pdf / WheelsCranks.pdf


JOY VALVE GEAR
JoyValveGearなんとかバルブギアを作りました。写真は仮り組をしたところです。リターンクランクやリンク・フォア・バイブレイティングレバー(バイブレイティングレバーのアーチ内に収まっているパーツ)など、小さいパーツあって結構難しかったです。ちなみに、リターンクランクの軸の中心からピンの中心までで2.5mmです。一応ここまで出来たのですが、でも、これで本当に動くのかどうかはわかりません。私のジョイバルブギアに対する理解が正しければ動くはずなのですが…。一応、図面を載せておきます。

ViveratingLever左の写真はバイブレイティングレバーと呼ばれるパーツです。写真の左側は形を整える前です。銀鑞を流した跡が見えるので、板を貼り合わせて作ったのがわかるかと思います。図面を描いている時には大きくて削り出すのが大変そうだなと思っていましたが、逆に、実際に作ってみると意外に小さく細か過ぎて大変でした。全長は27mmです。すべて糸鋸とヤスリで削り出しました。仮り組の段階でアーチ状の肩の部分がラジアスブロックに当たることがわかったので少し削りました。

RadiusBlockこれがラジアスブロックです。ジョンファウラーの機関車に使われているジョイバルブギアシステムのパーツの中でもバイブレイティングレバーと並んで特徴的なものひとつではないでしょうか。このパーツの内側の溝にバイブレイティングレバーの上部が嵌ってスライドします。ですので、その円弧や、その幅にバイブレイティングレバーが滑らかに動くための精度が求められます。バイブレイティングレバーと同じく板を重ね合わせて作る方法で作ったのですが、その重ね合わせるひとつひとつのパーツをどのように作って、どのように組み立てていくか、かなり考えました。この部品が出来なければ先には進めないのでダメ元で作りました。
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図面 → ValveMotionDetail.pdf


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